「モテそう」な男の猟奇(?)殺人

今日は1エントリで。
 
先週、江東区の行方不明女性事件の容疑者が逮捕されてから、しばしばこの事件について考えている。
 
容疑者は、事件が発覚した当初、テレビのインタビューに答えているが、「犯人」と思いながら見るということも手伝ってか、笑い方などに不気味さを感じる。
内向的なようすもきちんとうかがえるし、「女性に興味がない」という発言をわざわざするというのは普通ではない。
 
が、実際は彼は周囲では「好青年」ととらえられていたようで、「モテそう」だとの感想も聞かれたらしい。
容姿は、美男子ではないが特別醜いわけでもなく、ごくごく平均的で、中身によってはごく普通の異性人生を送れたであろう。
 
 
例のごとく2chをみていたら、
「容疑者は自分が周囲に好青年なんて思われていたことを知っていたら、また違う人生を歩んでいたのかな」
という書込みもあり、少々さみしさを感じたのであるが、よく考えてみて、いや、自分の印象がよいと知っていても彼は同じことをやった気がする、という結論が出た。
 
と言うのは、自分は女に相手にされないとか普通の恋愛ができないとかそれはすべて女が悪いとかいうのが、彼の世界の設定なのであって、実際に自分の容姿がどうなのかとか、実際に周囲にどう思われているのかとか、それらは「彼自身が」彼の世界の設定を変えない限り、決定的な影響力を持つことはない。
 
楳図かずおの作品に、「ダリの男」というのがあるのだが、これは、たいへん醜く、周囲と、特に女性とまともな関係を築けない男性が憧れの女性を軟禁する話だ。
が、最後のコマにオチがある。
江東区の事件の犯人にも、同じオチがあったとみていいだろう。
 
でも、死体損壊は異常すぎるので、もし彼が犯人なら(まだ容疑者だ)、できればもう外界に出てこないでください。