狂気に打ち克て

今年のトレント・レズナーの誕生日、と言って、当日誕生日であることなんて忘れていたが、あとでカレンダーを見ると、まさに5/17の誕生日、私はレズナーの話をしていた。
あれだけの才能があって頭が普通なはずない、彼はいかにして自身の狂気と共存しているのか、という話だったのだが。
 
狂気の発露が音楽活動なのは間違いないが、それで全て消化しきれているのか疑問だし、音楽の世界というのは、狂気を発散しつつ、同時にそれを生む世界だから、新たに生まれた狂気はどこへいくのか、と考える。
 
あと、私にとって一番疑問なのは、インタビューにおいては、彼はごく普通の人にしか感じられないという点だ。
 
まあ、そんなにインタビューをいっぱい読んだわけでもないので、ひょっとするとキャラ的に狂人まるだしのインタビューもあるのかも知れないが、基本的に控えめでシャイ、なような、そんな人に見える。
(映像インタで特にそう思う。)
 
 
キャラ的には普通の人ぽいが、語る内容はたまにアレで、「The Fragile」時のインタビューでは、過去のツアーにおいて参加者全員おかしくなっていた、という話をしており、彼らがツアー中にやっていたという行動の例は、確かに異常だった。
(汚い話なのでここでは書かない。)
 
とか言って、またあとになって、「The Fragile」のときは精神的に病気だった、と言っているらしいし、じゃあ一体いつまともでしたか? と訊きたくなるが、それでも、「常識人」的顔は彼の表面からは消えないんだよなあ。
 
 
もし、青いバラが野に咲くのと同じ確率ながら、いつか彼と話すような機会がくるなら、彼が作り手として音楽とかかわるのをやめたころに、そしてすべての狂気から解脱したころに、訊いてみたい。
いかにして解脱するまで生き延びたかを。