「下流」とか言ってると気が滅入るから「やきめし」ステイタスとでも呼ぼうぜ

最近マスコミが「格差」「格差」とうるさくなってきたので、何かヤツら魂胆あんのかなといぶかりつつも、実際気付いたら自分も立派にいわゆる「下流」に入ってたと自覚して数ヶ月経つわしです、まいど。(まだ諦めていはいねーけど。)
5年ほど前は、「勝ち組」「負け組み」という言葉がよく聞かれ、おととし〜去年は女性にだけ適用される「負け犬」という言葉がよく聞かれ、それが収束する頃に出てきた言葉が「下流」だ。
で、この言葉が喧伝されるきっかけになった本、「下流社会」を、今年の初めに読んでみた。

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

 
実は別に積極的に読みたいと思ってたわけではないんだが、本屋でパラパラみてたら下流に分類される人々だけに、「趣味は音楽コンサート通い」というのがあったので、買ってみた。
中身は、何より、「上流」「中流」「下流」の分類が、筆者が何らかの定義に基づいて分類したものでなく、アンケートに答えている本人らが自分をどこに分類するかに基づいており、「主観による分類かよ」とがっかりした。
「上中下」の分類以外にも、女性を

  • お嫁系
  • ミリオネーゼ系
  • かまやつ女
  • ギャル系
  • 普通のOL系

男性を

  • ヤングエグゼクティブ系
  • ロハス
  • SPA!
  • フリーター系

と分けているのだけど、どうなのかなあ。
それぞれの「系」の典型的人物へのインタビューも載っているのだが、あれを筆者の創作ととるか、実在の人物ととるかは、ま、読む人の判断次第かな。
ところで、下流の人だけコンサート通いが趣味という話だけど、これは実際どうかは置いておいて、少なくとも筆者がアンケートとった人たちの中では、自らを「下流」と任じてる人たちはそういう回答をしたってことで、面白い話だとは思った。
この本で描かれている「下流」の人たち像ってのは、
「個性尊重とか言われて育って、社会の流れに逆らってる俺/私カクイイ!って思って生きてるうちに、気付いたら社会の流れに乗ってる人らとえらい賃金格差が出てたよ、ははは」
って感じであり、これは、まあ、そういう面はあるかな、という感想。
 
この「下流社会」に書いてあることをまとめると、
「これまで圧倒的多数だった中流の人らの中に、下流に転落している人急増!」
みたいな感じなんだが、それには同調する。
冒頭に書いたけど、わしも気付いたら自分を下流に分類されざるを得ないという状況になっていたからだ。
まあ正直、いい気分ではないわな。しかし、周りを見回しても――しかも大学行ってた友人ら含めても――ほとんどは「下流」なんだよな。
いちおうわしの「下流」の定義を述べると、

  • 正社員ではない

って、正直、これだけ。
正社員じゃない人、ってか自分で自分を雇っている自営業にも羽振りのいい人はいるだろうが、ここ15年くらいの、ダイエーが先頭に立って始めた営業時間延長、価格競争の流れの中で、たとえ年収は悪くないとしても労働時間と精神的疲弊は増し、早い話が利益率はかなり低くなっているはずだ。
フリーター、バイト、パート、派遣社員は言わずもがな。
あと、正社員でも自らを「下流」に分類してる人もいるとは思う。正社員イコール高給というわけではないし、特にサービス残業が多いところとかだと、そういう感触を持たざるを得ないかも知れないですな。
 
で、こんな状況の中、たまに、「最近景気いいらしいよ! バブルの再来?」とかいうほざきも耳に入り、「ハア?」とか思ってると、「2004年度の企業収益は過去最高でした」って、おいおい、そりゃわしら「下流」さんたちが割り食った結果だろうがよ、と全然素直に喜べないオレガイルorzって文章が2ch色濃くなってきたとこで、タイトルに書いた、「やきめし」について説明したい。
 
「負け組み」「負け犬」「下流」にしても、それに分類される人としては「判ってんだからわざわざ名前つけるなや」的ネーミングですよね。
って突然同意求めてるけども、何つーか、わしとしては、こういった逆境においても、ちょっとした和みをプラスしたいわけよ。
で、その和みが「やきめし」ね。
「やきめし」がわしの中で人々のステータスを表す言葉として定着したのは、去年の終りであった。
弁護士だ薬剤師だ司法書士だって、今ウハウハになってる大学時代の知り合いと会って、でも彼らがそうなるまでの苦しい年月の話を聞き、「……彼らが苦労してた頃、わし何やってたっけな」と思い出してみたら、その当時、あらゆることに認識が甘かったわしは、正直ウハウハしていた。いや、金銭的にはそうでもなかったけど、自分の心の中の、「おれの人生」コーナーはかなり明るかったんである。
で、ふと浮かんだ絵というのが、2chのAAの、「チャーハン」と「やきめし」対比図だった。(AA崩れてるかもだけど以下参照)


【チャーハン】
     _ _    ・ 。  ・。
   ( ゚∀゚) 。・゚。・⌒)
  ⊂   o━ヽニニフ ))
   ( ⌒)  
   c し'  


【やきめし】

      Λ,,Λ
     (:::´・ω)。
    (::::::::..つニフ
  ̄ ̄と とノ ̄ ̄

今「チャーハン」な顔してる人らは、それまで何年か「やきめし」な顔して苦労していた。で、かつて「チャーハン」状態で浮かれていたわしは、今「やきめし」な顔してる。
ま、人によるとは思うけど、この図式にこのAAを追加してみると、わしはけっこう和むんだよね。
 
……和んでも現実は何も変らないけど、でもま、日常では、和むのはとても大事だから、わしは「下流」「負け組み」と聞くと、自動的に頭の中で上記AAを思い浮かべ、「やきめし食ってるショボーンの顔は可愛いなあ」などと和んでから、「いつかまた浮かれ顔でチャーハン作るぞ!」とこぶしを固めるのである。