DVD感想

朝からDIR EN GREYBUCK-TICK、OUTRAGEと映像作品をはしごして。
 
OUTRAGEは「The Curtain of History」、「The Years of Rage」を観た。
(「Shine On」のライヴ映像のほうは、何度観たか判らないくらい観たので、ちょっと前のを引っ張り出してきた。)
 
前者が140分、後者が(2007年のチッタのライヴ映像も含めて)170分とかww
 
前者はたまに阿部タソのインタが何言ってるか判らないところがあって、何だかほのぼのした。
日本語話者、名古屋方言理解者であるわしでさえ判らないのだから、たとえばOUTRAGEのインタビューを外国人の日本語の教材に使うとかは避けたほうがいいな。
(誰もそんなこと考えない。)
 
なわけで、これらの作品に関して、今さら、なことも書いてしまうかも知れないが、今日観て思ったことをなるべく素直に書いてみたいと思う。
 
 
 
OUTRAGEの昔の映像ってのは、以前OUTRAGE仲間のかたにダビングさせていただいたのがあって、それもまた何度も観たのだけど。
(様々なテレビ出演や、特に「The Final Day」のときの仙台公演の1時間近くにわたるライヴ映像とか、よくここまで集めたなあとほんとに感心した。)
 
「The Curtain of History」ではそれらとはまた違う映像もいっぱいあって、メンバーのインタビューもほとんど各アルバムについて触れているので、めっさ興味深かった。
 
で、何かとスルーされがちな「Spit」なんだけど、このDVDではこれについてもちゃんと触れている。
わしはあれ、好きなんですよ。
安井タソが言ってるけど、インダストリアル的、な風味があって、ま、それが、当時の時代背景からするといわゆる
「スラッシュ勢がこぞってモダンヘヴィネス(なつかしー用語だな、おい)に移行」
みたいなところにくくられてしまった原因ではあるかも知れない。
が、わしは、カッコよきゃ何でもいいんじゃない? なので、ま、正直プロダクション(音作り)がよくないのだが、それ以外の面ではそーとー好きなんだが。
 
こないだうちも「Spit」を何度か聴いて、橋本タソの英語の発音はこのアルバムが一番完成度が高いかも、とか思ってたので、ちょっと「Spit」について書いてみた。
 
 
で、「Who We are」に関して、橋本タソだけが好意的に語っていたのが印象的であった。
いわく、
「何度聴いてもアルバムの曲や自分の歌に癒される」
作品だと。
 
彼の脱退に関しては、丹下タソが
「あのときは誰が辞めてもおかしくなかった。それがたまたま直樹だっただけのこと」
と言っていて、確かにそうだったのだろう。
しかし、あるいは、本人が言った「脱退の理由」とも関係なく、わしは何となく、
「何度聴いてもアルバムの曲や自分の歌に癒される」
とまで言えたものが作れた、と感じている人ならば、「次の作品」にどれほどの意味があるか、という疑問は、別に本人が自覚してなくても、出てきて当然のことと思う。
本人は
「自分のやりかただけが正しいと思うようになってしまい、それが受け容れられないならば自分は辞める」
と思って辞めた、と言っていて、当時は風の噂で「よくない感じで脱退した」と聞いた。
 
けれども、彼自身のどこかが、
「何度聴いてもアルバムの曲や自分の歌に癒される」
とまで感じたものを一度作ったら、「次」への意味をどうやって見出すのだろう?
そういう意味で、あの脱退はある意味「安らかな脱退」であり、つまり、あのとき、ミュージシャン、ボーカリストとしての橋本直樹は、一度安らかに死んだのだと思う。
だからバンドを去って当然であった。
 
 
そしてDVDはトリオ時代に移っていくわけだが、個人的には丹下タソのドラムというのはトリオ時代の音が一番合っていると感じる。
(4人のときが合ってない、という意味ではない。)
ほんとに今後トリオで演ってくれないの?
まじ希望するんだが、、、
 
 
 
次。
(タソ、という敬称が自分でうざくなってきたのでふつーに戻す。)
 
「The Years of Rage」は、構成がすごいと思う。
「Beginning」編ドキュメンタリーで橋本直樹一時復活への道のりを描き、チッタでのライヴ映像、そして「Awakening」編ドキュメンタリーで橋本完全復帰の兆しへと完結する。
 
とカッコよく書いてナンだけど、一番ワロタのは、阿部さんが、4人でまたリハしたりするようになって、でも全然違和感がなかった、と言ってるんだけど、そのとき、
「言うギャグもみんな一緒だし」
と言ってて、
「違和感のなさの理由のひとつがそれwwwwwwww」
とウケたww
 
つかバックステージとかライヴ前のリハとか、阿部さんの言動がいちいちイミフでいいな、おいww
 
ってか、そうだ、これは「The Curtain of History」を観たときに感じたことだけど、OUTRAGEはよくワールドスタンダードだとか言われるけどさ。
OUTRAGEの人らって何か日本語話者にあるまじき自由さがあるんだよね。
いや、まこれは理解してもらおうと思わないが、人間は言語に規定されるからさ。
でも、あの人ら絶対に日本語に規定されてないんだよね。
意味が判らん。
何だろう、名古屋弁に規定されているからふつーの日本語話者と違うのだろうかw
つか、わしがDVDを観て思ったのは、丹下さん、安井さん、阿部さんの、大須ネイティヴであることが、実は大きいんではないかってことなんだ。
(名古屋以外のかたへ:名古屋には大須という、大阪の心斎橋をさらにイミフにしたような町があるんだよね。)
 
名古屋、ではなく、大須のフリーダムさってのはあなた、まずもって「イミフ」なんだよね。
OUTRAGEがよく言われる「日本ぽくない」ってのは、このへんと絶対関係あると思うんだ。
 
 
と冗談とも本気ともつかん話はさておき(いや、わしはいたって真面目に言っているのである)、チッタのライヴ映像だけでなく、その後の東名阪でのOUTRAGE with 橋本直樹ツアーについても、めっちゃきちんと記録されているな。
 
そして、あの東名阪ツアーがなかったら、いや、「なかったら」って仮定の話はあまり意味がないな。
ともかく、あのツアーがあったからこそ、橋本さんが復帰への決意を固めていく道を選んだことは、間違いない。
インタビューでは(これは完全に要約)、
「ああいう、目や耳の肥えた人たちの前で歌って、自分は歌い手として全然まだまだだと思ったし、たとえば、(技術、表現的に)何か新しいことができるようになったらまたお客さんにそれを聞いてほしいなとか思うようになった」
と言っていて、あの東名阪ツアーの重要性を再認識しますた。
 
おわり