DIR EN GREYについて−やれることはやるというattitude

「Withering to Death」だけ持っていて、4、5曲大変気に入っているのですが。
 
こないだ、数年前に録画したHide Memorial Summitを観たらDIR EN GREYが出ていたのだが。
当然知らない曲もいっぱいあったのだが、聴いていて、彼らの音楽は、何つか、深刻な音楽だと思いました。
 
サウンド(音)自体は深刻じゃないけれども音楽がね。
 
とにかく明るくない、ひたすら深刻である、ってコンセプトのもとに音楽をやっても、全然いいんじゃないかと思う。
いや、別にわしがいい悪い言う意味は全然なくて、何だか(DIR EN GREYは)バンドのありかたとしていいなあと思いました。
 
 
売れる、といろいろ言われてしまうのですが、でも、意地悪な見方をすると滑稽に見えることを、でも、バンドや表現やアートのために必要なこととしてやっているというのは、認められるべき点だと思う。
 
たとえばボーカルの人がかなり小柄なので(?)踏み台が置いてあるわけだけどさ。
考えようによっては滑稽じゃないの?
でも彼はあれは自分が自分の表現したいことを表現するためには必要だと思って置いてるんだと思うよ。
それはわしすげーことだと思うのです。
男性で、ちっさい、ちっさい、というのはけっこうこたえることではなかろうか。
ま、彼がどう思ってるかほんとのところは判らないけど、もし、自分が小柄であることが「不利だなあ」と思っていたとして、それでも、そういう自分を受け容れて、その上でできることはあるかな、と考えられる、というのが、人間に与えられた真の力だと思う。
 
売れる、だけでなく海外でも知られているのでさらにいろいろやっかまれることも多かろうが、でも、彼らが彼らなりにやりたいことややろうと思ったことを、誰かに媚びるでもなく、自分たちにできる最善の方法でやってきたから今の彼らがあるのではないかな? と思う。
 
まあ音楽性が受け付けない、ってことはけっこうあるバンドだとは思うので、すごく「聴いて!」と薦める気はないんだけど、わしは好きだな。
 
というわけで今日「The Marrow of a Bone」というアルバムを買ってきた。
Hide Memorial Summitで演っていた、"Conceived Sorrow"という静か目の、しかし「(ともかく深刻で絶望に満ちて恐ろしいくらいだけれども美しくもあり)ものすごいな」と思った曲が、入っていたので。
で、しかもこの静かな曲をアルバムの頭に持ってきている。
これもまた怖いようなセンスのよさだなと思いました。
 
 
追記
ライヴ映像を観てびっくりしたが、ボーカルの人の手の美しいことww
右手は手の甲にもタトゥーをいっぱいしてて、左手は、手首から先はタトゥーしていません。
で、これはたぶん彼は手がステージにおいて表現のためにとても有効であると判っているからではないかと思いました。
どういうことかと言うと、彼は右手でマイクを持つので、何かやろうと思うと左手になります。
で、左手にもタトゥーをしてしまうと、背景に映えないんだよね、手が。
特に、真っ白でほんに美しい手をしてらっさるので、背景に、あの白い手がとっても映えるのです。
というようなことをライヴ映像を観ながら考えておりました。