The Vampire Armand

↑のエントリだけじゃナンなのでアン・ライスの"The Vampire Armand"の感想。
と思ったのだが何かさっきからアレルギー性鼻炎がいきなり盛り上がってきてつれえよw
 
なのでもうろうとしながら書くと、何だろうね、最近ちょうど、宗教や神というのは、人間と死のあいだの緩衝材なんじゃまいか、とかいうことを考えていたところだったのだけれど。
 
この小説は、キリスト教を再考する、という意図も、大きく含まれていると感じた。
アン・ライスがどういう信仰の人か知らんし、わし自身キリスト教に詳しいわけじゃないので的外れな意見かも知れんが、西洋社会という、(キリスト教の)「内部」にいて、よくあれだけ外部からと思われる分析を内在させた西洋社会の小説を書いたものだと思う。
 
主人公Armandの、キリスト教との精神的距離の近さというのは、わしにはよく判らん。
後半は「何でそこまで??」という執拗なこだわりも見せる。
(「何でそこまで??」ってのはでも彼の吸血鬼仲間からも訊かれていたw)
 
なのに、なのにさあ、一番最後、
「そりゃねえだろwwwwwwww」
ということをArmandが言うw
あそこまでこだわっておいてwww
 
ま、それはある意味大どんでん返しなんでアレだとしても、そこに至るまでの、キリスト教を基軸とした西洋思想つうか西洋での人間(つうかこれは吸血鬼の物語だから吸血鬼だけれど、何つうか、「神以外の存在」というくくりでは同じことらしい)の定義つうか、そういうのが、興味深かったな。
 
人間が絶対にかなわない何かがいて、それが信仰対象である、という生きかたが、人間にとってどういう意味があるのかが、これを読んでほんのちょっと推測できた気がする。
これはたぶん作者の意図するところではないと思うが、そういう意味での信仰が存在しない文化の人間からすると、この小説はファンタジーでなく、延々と、西洋社会のありかたを説明してくれているような、そんなふうに思えたな。