GARGOYLE/若草の君

女の証の存在する腹を切り刻んでも男になれることは未来永劫ないし、今の人生でできるのはせいぜい自分がなりたいと願った男の姿に見合うような女になるべく外見をよくしたり「女らしく」したりすることくらいだ。
女の人生ってほんとにつまらない。
 
 
これまで自分が文章に起した妄想にはいくつかの世界を合計してだいたい60人強の人物が出てくるが、そのなかの誰か、今の場合しょうがないので女性を抽出してその人みたいになろうかと考えもしたが、私は同時にその女性に恋をした男性でもあるのだしその男性の仲間の男性でもあるのだしその仲間の男性の友人の男性でもあるのだし、つまり、私は私の妄想の「全体」であるのだし、「そのうちのひとり」だけになどなれるわけがない。
 
 
次もし女なんかに生れることがあるなら、「スイーツ(笑)」なタイプに生れられますように。
「いくつもの自分」を自覚できるような回路を破壊されて生れてきますように。
「男の人に愛されること☆」が人生の目的だと信じて疑いませんように。
 
これしか幸せになる方法はない、女に、特にこの国で女に生れてしまったら。
 
 
追記
 
この生きにくさは何だろうか?
別にここまで悩まなくても生きていけるんではないだろうか?
 
自分を見つめることをやめて……とは言え、私が自分のことを探ることを始めたのは、苦しかったからだ。
苦しさを解消するには内側を掘るしかなかったのだが。
 
先日受けたセラピーは、よかった。
セラピストさんが面白かったw
「人が100人いる部署を想像してください。
そのうち、3人だけがある企画に賛成していて、あとの97人は反対してます。
それが、顕在意識と潜在意識の不一致状態です」
って説明がすげえ判りやすかったw
「今までこの3人と97人はずっと対立してきたのでかなり険悪です。
なので、ここらで親睦の飲み会をやってみましょう」
と言ってあるワークをやったりした。
 
以来、日常でもこの「100人の部署」を想像して自分の真意をはかることにしているのだが、こないだはかたまったなあw
「何だかんだでここまで、(3人と97人は)一緒にがんばってやってきたよね」
と思ってみたら、97人が、「しーーーーーん」って感じでしらけた。
 
これがこれまでの人生の実態。
まあ別にいいのだが。
 
 
自分の過去のことを考えたりすると、この97人はこの世に生れるとただただ苦しむだけだということを知っていて、必死に生れることとか生きることを拒否してたとしか思えないふしがある。
「生れるまえ」を想像すると、ほんとに「あ〜あ」って、大ため息混じりな気持ちになるんだよ、一番の理由は親だよね、「何でここを選んだかなあ」と、自分で選んでおいて直前になって大後悔、が生れる前の97人のようす。
うちの親は一般的にはとてもよい親だと思いますが私には合わなかった、とことんまで。
(とは言え母親とは普段は楽しくやってますが。)
 
何かいろいろ疲れ切ったので、妄想のなかだけで「生き」ようかなとふと思いました。
妄想で好き勝手やればいいんです。
誰も見てやしませんから。
妄想では私は全員でありひとりひとりでありすべてを俯瞰する神でもあります。
 
自分が変ってるとか非凡だとかいや平凡だとかつまらないとかただ頭がおかしいだけだとか、そのへんもどうでもよくなりました。
何をどう変えようと思おうが変えないようにしようと思おうが、本質は変らないので。
自分でさえどうも把握できてない自分の本質はこれからもここにあるので、それが平凡だろうが非凡だろうが、何かどうでもいい。
変えられないんだから。