今日のMCだけ

こう言うからって昨日のショウのすごさが薄れるわけじゃないが、今日、この場所には不思議な何かがある。
 
1枚のアルバムで3年ツアーしていて、そのあいだに4回日本に来てる、ラウドパーク、ワンマン、SLIPKNOTとのツアー、そして今回だ。毎回俺たちを呼んでくれるプロモータ、クリエイティヴマン、ありがとう、俺たちを呼んでくれて、俺たちを信頼してくれて。
 
(これは個人的に、特に「俺たちを信頼してくれて」は、思うところがある。Ashesのときインタビューさせてもらったとき、「こっちは来日したいと何度も打診してるんだがプロモータからマシヘじゃ客が呼べないと断られてる、欧米じゃソールドアウトのショウばっかりなのに、理解できん」と言っていたから。「信頼してくれて」というのは、「客を呼べる実力があると信じてくれて」という意味だろう。)
 
今回のツアーは5週間やってるが、この地球上において、Machine fuckin' Headコールをまったく途切れさせなかったのは君らだけだ。
 
(あと何か日本がいかに世界のなかで特別な土地になったか、とか言ってた気がするが、忘れた。某所で神が現れたら教えてちょ。わしがあさって帰宅するまでうpされたままならDLしてMC訳すけん。)
 
(MCだけ、と書いたけど、もう何かね、Haloのときまたマジ泣きw ロブが、来日できなかったころを思い出させるよなことを言ったから(上記参照)、フロアの後ろのほうで見てて、みんなの盛り上がり、そして特に、ツインリードだけになるあのパートを、みんなが歌ってるのが聞こえてきて、あの6年を経て、今ここまできたんだと、ほんとにみんなマシヘが好きでしょうがなくて、マシヘのために何ができるか考えて、それが結局あのライヴのかたちなんだよ、どのバンドもそれぞれのライヴのありかたがあって、それぞれすばらしいのだが、しかし、「マシヘで体験できるものは他のすべてと違う」。もうあれはライヴでなく、音楽を聴きにいくのでもなく、かと言ってぜんぜん宗教的じゃない、みんながあそこに持ち寄るんだよ、マシヘをどれだけ愛してるか、なぜそこまで愛するようになったか、そこまで愛するにはあのバンドにそれだけのものを投入するだけの人生の時間と出来事がみんなにあって、そのときのやりきれなさや、それに寄り添ってくれたマシヘの音楽やロブの言葉や、それらへの思い、すべてを持ち寄るから、ああなる。これまでのすべての悲しみ、すべての苦悩、すべての悔しさ、すべてのやりきれなさ、すべての切なさは、あの場の輝かしさに帰結する。マシヘが来れば、そうなると判ってるから歩ける、ってのは私の今の気持ちです。礎とか、支えとか、そういうものとは違う、「今までの人生で一番愛している」。)
 
(私が去年、「自分が渡せる最上のものは一番愛する相手に渡す」と書いたのは、判る人は判ったと思う、マシヘ、もしくはロブのことだったが、最上のものはもう今日渡してしまったのかも知れない、もちろん私ひとりじゃなく、昨日を含めてあの場にいた全員で、渡してしまった気がする。)
 
(私がマジ泣きしたのは、もうひとつ、ほんとはやっぱり不安もあったからだ、おととしのラウドパークの奇跡があったとしても、音楽の世界もライヴも水もの、始まってみないとどうなるか判らない。また盛り上がらなかったらどうしよう、特に平日だし、またあの6年間みたいな、信頼関係が、あるような、ないような、いや、一度あの奇跡があっただけに、「やっぱり日本はだめか」と昔よりがっかりさせたらどうしようと、不安だった。)
 
(でも、もういいんだよ。もし今後来日したとき、もし今回みたいな「不思議な何かがある」空間が作れなかったとしても、もう、ロブも言ってたが、"legendary"だ、今後日本との関係がどうなろうと、彼らの心に残り続けるショウを、ラウドパークの1回だけじゃない、昨日も、今日も、実現できたのだから、このまま残っていくんだ、ラウドパークの輝かしさ、昨日と今日の輝かしさは、彼らの記憶と私たちの記憶からは、「誰にも奪えない」。)