演奏会と陳情2〜陳情

さて、ライヴ後はもともと仲間と集まってご飯に行くことになっていたんだが、プラス、そこに他の仲間も合流して、いざ夕食へ。
 
なんだが、このとき、わしにある天啓が降ってきたのである。
 
この天啓が何だったのか、等の詳細は略して、そして時間も1時間ほどとばして、わしは都内某所を普通に歩いていた。
 
天啓により、
「『Reign in Blood』完全再現をなぜやってくれないのか?」
という陳情がほんとにできるかも知れない事態になっていた!
のであるが、まあ、むりだろうと思いつつ、普通に歩道を歩いていた。
 
ら、ふと見ると、そこに髪のない人と髪のある人(金色)がいるじゃないですか。
こっちは普通に歩いてたから、心の準備も何もない。
ともかく、着てたMACHINE HEADのTシャツをパーカで隠して(キング-フリンの妙な関係に巻き込まれたくないのでw)、髪のないほうへ。
 
わし「今日のライヴとてもよかったです。ってか、ちょっと疑問に思ってるんですが……」
髪なし「?」
この時点では、髪ありは髪なしの隣で立ち止ってわしの話を聞いてたもよう。
続き。
わし「『Reign in Blood』をなぜやらないとですか?」
髪なし「?」
わし「"Angel of Death"から"Raining Blood"まで――」
こう言ってたら髪ありが歩き出した。
そして髪なしは我々を残して歩いていく髪ありの背中を指差す。
おのれかあ、おのれが演りたないゆうたんかあ、とハネマンの背中に思ったわし。
 
とかまあ話してて、キングちゃんの言い分は、
「(完全再現は)2本前のショウ(シドニー)でも演ったし」
「みんな飽きてきたし」
「ってか今日はエクストラで"Postmortem"と"Epidemic"演ったでしょ」
ってなところ。
すみません、やっぱさすがにいきなりでテンパってたんで、
「2本前で演ったゆうたかてシドニーですがな、日本のわしらからしたら知らんがなですがな、日本では演るつもりないんですかい」
ってところまではつっこめなかったorz
 
正直、
「飽きたって、じゃあ毎回必ずずえったい100%演る曲は飽きんのかい」
とオモタのだが、しかし、今考えると、これがSLAYER、なんだろうなあ。
「Reign in Blood」完全再現を演らなかった理由としてキングがハネマンの背中を指さしたとき、ああそうだった、とオモタ。
あのアルバム作ったあと、
「速いのばっかで飽きたからスローなの演ろうぜ、おい」
と「South of Heaven」のときに提唱したのはハネマンだった。
そういう人だしそういうバンドなんだよな〜。
 
(ちなみに陳情の際、ロンバードもいたのだが、最初気づかなかったorz キャップかぶってたから、ってのと、なぜか20代くらいのお兄ちゃんに見えたので、スタッフだと思ってたw)
 
あと、最初に半分戯れで「Reign in Blood」完全再現演ってみたら死ぬほどウケて、でしばらくはよかったけど、だんだん、
「やらねばならんのでやる」
という状態になったのだろうし、また、あまりにウケたので、だんだん、
「だから俺らはサードばっかじゃないってば」
みたいな気持にもなるのだろうし。
 
まあともかく、「Reign in Blood」完全再現@日本は、ワールドツアーの日程において、彼らが「演ってもいいかな」と思える日程にはまれば演る、ってことだと思われ。
ただ、演るときは事前告知をしているらしいから(その点は非常に親切だ)、まあ、最初から、今回は日本では演るつもりはなかったのでしょう。
 
 
以下は発言には責任持ちません、って話。
SLAYERは非常に強固に自分らの活動スタンスってのを持ってて、それが変ることは絶対にない。
ファンがどーだからとか、そういう理由でも、変らないと思う。
が、変らないとしても、声を出していくことは非常に重要。
こっちの要望と、あっちの気持がいいタイミングで合致したときは、変化が起きることもあるだろう。
 
が、ひとつ問題なのは、今の彼らが基本的にもう「あちら側にお隠れになられている」ポジションになってしまっていること。
今回彼らを思わぬところで見て、昔と彼ら自体は全然変ってないのはよく判ったんだが……ああ、何が言いたいか判らなくなってきた。
でも、多分、これまでも常に、日本側スタッフはいい感じだと思う。
今回も追い払われることもなかったし、昔担当だった人も、めちゃいい人だったんだよ。
だから、言いたいことがあれば日本側のスタッフに、というのも有効かも。
もちろんメンバーに声が届く可能性は未知数ですが。
 
あと、SLAYERは日本には来てくれるが、他のバンドと同じく、公演の規模が欧米とは全然違う。
で、人口から言ってもまあ今以上を期待できないことは判ってるとは思うのだが、しかしそれ以前に、悲しいかな、昔より動員はさがってるんだよね。
これ前も書いたけど。
公演回数、ハコのキャパが、例えば95年と比べると。
時代の流れにおいて、欧米でのこういった音楽の動員数がどう変化してるかは判らないんだが、日本の状況に関しては、娯楽の多様性の結果割りをくった音楽産業において、個人的には、「フェスに出てそのついでにちょっと単独公演」という形式の定着は、正直……まあ去年のSLIPKNOTくらいの本数で単独があってくれればいいが、あれは彼らだから可能だっただけで。
それが日本の現状なんだよね〜。
欧米ではSLAYERのポジションと動員は連動してるけど、日本では連動していない。
今回、ラウドパークJUDAS PRIESTではなくSLAYERが大トリにはなったが、正直私にはなぜああなったか判らない。
Beast Feastの名残(キングが「Beast FeastはSLAYERフェスと呼ぶべき」と言った)もあるのだろうし、あのころは単独公演がなかったことを考えると、呼ぶ側は頑張ってくれてると思うのだが、SLAYER単体は案外動員がない、ってのが現状であり、それが、バンドが日本をそれなりに重視したいとしてもできない理由なのだと思われる。