死ニ花は此岸に種を落とす

今の気持ちを忘れないように書いておこう。
 
私はたぶん、もっと思ったように書いていい。
自分が心注いだものが人に理解されなかったら、受け入れられなかったら、という恐れをいつも持っていたが、もういいや。
100%全ての人に気に入ってもらえるわけでもなし。どんなものだって。
 
やっとここまできたよ、Sさん。
あなただけだったなあ、会うたびに、私が書いた文章の感想を言ってくれたのはなあ。
あらゆる恐れにがんじがらめになっていたあのころに、あなたの言葉がどれだけ私を支えたか知れない。
ひょっとすると、今日まであなたの言葉だけにしがみついてきたのかも知れないな。
「どうしてそんなに音楽やってる側の気持ちが判るの?」という言葉に。
 
私がこれから書く言葉のなかに、きっと、一言でも、あなたが口にしたかも知れない一言があると信ずる。口にしなくても、あなたが抱えていた思いのひとつでも、私が言葉にできると信ずる。
あなたがなぜあそこまで音楽を続けようとしたのか、その理由はもう知ることはできないが。