人の求めるものは清い/欠点こそその人の持ち味だ

また気のおもむくままに書く。
 
人間って案外ほんとのことを話さないのですよね、ウソをついてるという意味ではなくて、表面で実際に口に出して言ってることと、根底での、自分でも気づいてない本音が、案外食い違っちゃうのですよ、というようなことで。
 
よく憎まれ口をきいちゃう人がいて、
「おまえのことなんか知るか」
というようなことを言って色んな人と疎遠になっちゃったりする例もあるかと思いますが、こんなのもだいたい本音を翻訳すると
「俺のことをもっと気にかけてよ、気にかけてくれないならすねてやる」
という意味で、そう考えると、憎まれ口たたく人もかわいいもんです。
 
私がずうっと観察してる人で(観察ってやな言い方だが直接の知り合いじゃないので観察しか言葉が浮かばない)、こういうタイプの人がいるけど、最近、潜在意識がどーのとか親から受け継ぐどーのとかちらっと勉強するうち、まさにこの人の本音ってのはたった一言、
「私をもっと評価してくださいよ」
ってことなんだなあと思った。そう考えるとほんとにかわいいもんだ。
昔、この人がとっても嬉しそうに誰かと話してるのを見かけて、友人が、
「いつも不機嫌そうなのに珍しい」
と評したり、
「あの人は自分を全肯定してくれる人が必要なんだよ」
と評したり、この友人の言っていたことは的を射ていたのだな〜とあらためて思った。
 
最近ある人が言ってたけど、人間が望んでるものってほんとは清いものなのですよね、上の例でも、ただ人から愛されたい、気にかけてもらいたい、それだけですからね。
それが口に出るのは
「もうおまえとは二度と会わねえよ」
とか、そんな言葉になる。
 
こういう口をきいてしまうのは確かに欠点なのだけど、そう思うと、私は同時に、これもかつてどこかで読んだ、人はその欠点ゆえに他人を愛すという言葉を思い出すのである。
この人大好き〜と思ったとき、もちろんよいところが好きだから好きなのだけども、同時に、その人の欠点に対して「しょうがねえなあ」って言えたとき、あ〜自分は相手がほんとに好きなんだなと思う。これは恋愛だけじゃなく友人関係でも。
友人に対してムカつくことがあっても、「でもこれがあるからこの人はこの人なんだよな」なんて思えたら、それはかなり幸せだ。
 
私が観察している人は、過去にはムカつくこともあったし、観察すればするほどに、精神的に弱いな〜と思うのだけれども、その弱さも頑固さも口の悪さもすべて含めて大好きだ。
でもよく知りもしない人間から観察されたり好かれることも大嫌いらしいので、おおやけに大好きなんぞと言うこともなく、そっと見守ろうと思う。