ブチ切れて大阪〜ALICE IN CHAINS-Udo Music Festその3

時間は2時前、2:45からのALICE IN CHAINSに備え、食事、水分補給、トイレと忙しい。バズとAICの間のPUSSYCAT DOLLSの間に前の方行ってないといけんし。
(しかし普通ならば前の前のバンドくらいから前列をキープする覚悟は必要なので、ほんとこの日はラクだった。)
PUSSYCAT DOLLS残り3分くらいんとこで前へ行ったら、ジェリー・カントレル側3列目確保w
って笑ってばかりもいられねえ、フッカツALICE IN CHAINSを迎える日本のファンはこんだけかよ! って失望を与えないだろうかという不安も募った。でも3列目確保w
そろそろかなー、てなとこでPAの後ろに全体的に色の薄い人間がちらっと見え、おお、ありゃカントレルではないかな、とおもた。
 
で、メンバー登場、ボーカルが黒人で驚くも、やっぱ色の薄い人間はカントレルねw 髪の毛と同じような色のシースルーのブラウスを着てきますた。
にしても、事前情報全く集めてなかったのだが、ボーカルは黒人(名はウィリアム)、なるほどねえ。
存在がでかかった前任者の後釜には、比較のしようがないくらいかけ離れた人材を入れるが吉、というのが私の考えなのだが、白人→黒人ってのも比較のしようがない変化の部類ではあるな。
で、"Sludge Factory"で始まったんだけども、肝心の歌を聴いて、ジェリー他AICの面々が、正式メンバーか否かは不明としても、新ボーカルを入れるに当り何を狙っていたかを考えることとなった。
ってのは、歌い方は基本的にレイン・ステイリーを踏襲していたので。声としては、レインの声を美声にした感じ。
で私は、これはわざとレインに歌いまわしを似せてるのかなーと思った。
見た目は「全然違うやん」でありながらも、レインが残したものを少し踏襲することで、「全く違う人材の方がよい」という向きと「やはりレインが忘れられない」向きの両方を微妙に満足させることができるとメンバーは考えたのではないかと。ま、憶測なんで受け流してください。
 
まあともかく、2曲め、早速"Dam that River"で前の方は大喜び、ゆるいモッシュが起る。
が、ベースの機材の調子が悪く、音が途切れる。これがその後のライヴの流れを暗示していた、と言えなくもない。
何とか機材の調子がよくなったベースのマイク・アイネスが不思議なフレーズのベースラインで"Rain When I Die"をスタート、何故か鳥肌が立つ。
まだ昼間で、AICに似合わねえことこの上ない明るい時間ではあったが、彼らの曲の持つ呪術的吸引力はやはり普通じゃないね。
 
とか悠長に感動してられたらよかったのだが、そんな雰囲気ではなかったのだ、実は。
理由は、ジェリー・カントレルのブチ切れ。
もちろん客が少なかったからですよ。
じゃない、ほんとの理由は、コーラス用マイクの調子。
ボリュームが小さすぎたか、本人への音の返りが悪かったらしい。ローディーにボリューム上げるよう指示出してたけど、満足にあがらない。その後何度も上げるよう指示するけども、結局だめ。
ってんで、マイクスタンドを2回も蹴倒すカントレル様。
おかげで床に落ちたマイクがたてる「ぽて」というか「たぽ」というか、そんな音が今だにたまに頭の中で鳴るんだよなw
何つーか、私10年も彼のファンだったんですけど、初めて観たライヴでこれかよwww
 
まあそんなわけで、AICの持ち味のひとつである、ボーカルとカントレルのハモりはあまり聴かれず、残念であった。
特に、ボーカルがアコギを持ち出し歌う"Nutshell"と"No Excuses"では、ハモりは要だからねえ。
そういや途中、ボーカル用のマイクが空いてたときがあったので、カントレルはそのマイクで歌ってみようとしたけども、やはり満足いかなかったらしく結局やめた。ってそれはあなたの声が小さいということではw? (いや、真面目な話、いい声なんだけど通りにくいタイプではあるからね。)
 
で、最後から2曲め、"Man in the Box"でセバスチャン・バックが登場、それまでギターを1本叩き壊しマイクスタンドを3回倒していたカントレルさんがやたら喜んでいたのがワロス
で、最後は"Would?"だ。AICで一番好きな曲なので、感慨もひとしおである。
 
という感じでライヴは終了したが、正直このときは、もう二度とAICは日本に来ねえだろうなと思ったw
別にカントレルはいつもブチ切れる人ではないようなので、ある意味レアな姿が見られたけども、翌日、富士では上機嫌で演奏してたと聞くとちょっと悔しいw
にしても人どれくらいいたんだろうな〜、あんだけ大物になって、「客こんだけかよ!」じゃびっくりだよなあ。
ウィリアムさんが、
「明日も来るよね? 新幹線乗れば移動はすぐだもんね」
とか客に言っていたのも仕方ないw
 
選曲としてはベストな部類だろうな〜、やはりセカンドの重要性を感じたし、ひとつ発見したのは、このバンドの音楽の魔力は実はベースラインにも潜んでいた、ということかな。
煮え切らねえフレーズばっかなんだけど、それが逆にヘンな牽引力があって、不気味なときがある。
 
あと、ドラムのショーン・キニーはめちゃカッコよかったね。
ビデオでのピエロ役とかヘンな人の印象しかなかったんだけどw、途中カントレルが「機材サイアク」とかショーンにグチりに言ったときのショーンの表情みて、あれ、ひょっとすると、彼とカントレルの関係では、ショーンの方が保護者ぽいのか?とか思った。
(注・カントレルのセリフ、「機材サイアク」は憶測)
 
最後に。
AICが奏でる曲は全て、そのままレインへのレクイエムだ。演奏されるたびに彼の魂は癒されていくのだろう。

セットリスト
1.Sludge Factory
2.Dam That River
3.Rain When I Die
4.It Ain't Like That
5.Again
6.Junkhead
7.Love Hate Love
8.Nutshell
9.No Excuses
10.Down In A Hole
11.We Die Young
12.Them Bones
13.Rooster
14.Angry Chair
15.Man In The Box
16.Would?
(↑同じく富士のもの。でも大阪も一緒のはず。)