由緒正しきメタルの継承者たちによるイベント、「Heritage of Iron」かんそう

9/3に名古屋アポロシアターで行われた「Heritage of Iron」というイベントについて。
 
名前通り、由緒正しきメタルのイベントである。
どのくらい由緒正しいかと言うと、以下に書くくらいである。
 
この日メインのひとつであったVIGILANTEのボーカル丹羽さんは、ライヴが進んでいくごとに(めっちゃ何枚も)重ね着しているTシャツを脱いでいくのだけどもw、最初は、
「みんなついてきてるか〜?」
と、自らの着用するマニアックなTシャツに観衆がついてこられているか心配していたが、最後になって、
「ついてきてるか〜? って訊いたけど、ついてくるどころか、ステージから見ると、ぜひハントしたいTシャツを着てる人がちらほらw」
と言うほどに、観衆もまた由緒正しきメタルを継承する者たちだったのである。
(わしはとーぜん継承できてないよく判らない人である。)
 

出演バンド
 
BELLFAST
ARGUMENT SOUL
VIGILANTE
METAL X
ROSE QUARTS

 
わしはVIGILANTEから観た。
 

VIGILANTE
 
プログレメタル、という説明でいいのか?
たぶん今まで何度か書いているが、このバンドの丹羽さんのハイトーンボーカルは知らん人はぜひ一度聴いてみてほしいす。
彼の歌や声については後述。
 
で、どーでもいいんだけど、今年に入ってから、自分が行くライヴのほとんどで彼と遭遇しているのだが、今回もライヴ会場で会うこととなったなw
(そりゃそうだ、VIGILANTEを観に来たのだから。とベタな自分つっこみ。)
 
というわけで、ライヴ、満足である。
このくらいの時間(45分くらいあったのでは?)聴けるとかなり満足だな。
素晴しい。
何つーかふつーに、この完成度の音楽というのは、ほんとに多くの人に知っていただきたいし、また、日本だけでなく、海外でも、このテの音が好きな人はぜひぜひ聴いてほすい。
 
で、前に観たときも思って、今回初めて書くんだけど、ギターのおふたりってビジュアル系だよね?
(バンドのカテゴリのビジュアル系、でなく、見てて麗しくね? という意味。)
でも向って左側のギターの人(堀江さん)の、告知MCのgdgdさに笑ってしまったww
「あの、あの」とかやたら戸惑いながらMCを始め、途中で「緊張してきた」とか言ってイミフになってきて、おもろすぎた。
 
ところで、今回のライヴは、各バンドのセッティング時間にスライドで昔のメタルPVを流す、という試みがなされていたのだが、この試み、最高すぎるな、おい。
で、あるとき、KING DIAMOND(かMERCYFUL FATEがどっちか判らんがともかくダイヤモンドおじさんが歌っていた)が流れたのだけれども、わし、音楽性は好きなんだけど、ま、よくあるパターンでっさ、声がだめなんだよ。
 
と思ってたんだけど、今となったら違和感なく聞けるということがこの日判明したんだよね。
で、何でか、と思ったら、案外このVIGILANTEの丹羽さんの声と似てるんだよw
丹羽さんの声と歌は何と言いますかわしとしては「grace」という言葉が思い浮ぶ感じのものなのですが、知らないあいだにわしにキング・ダイヤモンドへの免疫を作ってくれたわけですな。

 

ARGUMENT SOUL
 
久々に見たらすっかりビジュアル系になっていてびっくりした。
(ビジュアル系、というのは、VIGILANTEでも書いた意味です。もちろんあくまでもかっこうはふつうにメタルバンドですが、見場のいいメンバー多くね? どころかみんなカッコよくね? みたいな。)
ギターの寺岡さんもボーカルの神谷さんも前よりかっちょよくなっているよねえ?
あと前にいる全員がさらさらストレート長髪というのもビジュアル面において「おお」という感じであった。
(いや何だかんだでこういうの重要なんすよ。)
 
このバンドは正統的なパワーメタル、であるけれどもリフはかなり激しいことをやっている。
確かに正統派、ではあるが、実は案外珍しいタイプの音なのでは?
(パワーメタルがだめだったわしが聴けるようになったのはこのバンドのおかげな面が大きい。)
 
このバンドもまた神谷さんのハイトーンボーカルが鮮やかな目印である。
VIGILANTE丹羽さんのハイトーンボーカルがgrace、という感じならば、神谷さんのそれは威風堂々、って感じかなあ。
 
どの曲か判らんけど、ギターの福井さんのコーラスとの3度のハモりが完璧すぎてびびったぜ、おい。
 
おお、あと、そうだ、"Glory in the Past"が好きすぎるのでぜひまた演ってください。

 
ここで幕間について
 
VIGILANTEのところで書いたように、昔のメタルPVがスライドで流されるという。
みなたぶん80年代のものだと思うのだが、わし、案外ほとんど判らなかったので、自分って案外若いんだな、ということにしたいと思います。
(ほんとは由緒正しきメタルの継承者じゃないだけ。)
 
で、なぜか知らないが、OVERKILL率がやたら高く思ったんだけど、絶対ほとんど違うよねえw?
知ってるバンド以外、ボーカルの人がみんなOVERKILLの人のように見えたのはなぜだろう?
西洋人によくいるタイプなのか?
 
お、あと、E.Z.O.は初めて見ました、すげえ。
最初、DEAD ENDかなあと思ったけども、声が違うし、と思ってたら、後ろにいた人らが、山田雅樹、と言って、ああ、と。
 
あと、DEEP PURPLEの、曲知らないけど、かっちょよかった。
何期かも判らんけど、とりあえずボーカルはイアン・ギランだった。
ギターはブラックモアさんだけ? よく判らん。
ともかく彼らのせいぜい30歳くらいの映像だと思うが、イギリスのどっかの別荘みたいなとこでの滞在記、みたいな、楽しそうすぎてすごくよいPVであった。
 
で、フロアにいるみんなで合唱、となったのは(←これがまたよかった)、ACCEPT、IRON MAIDEN、そして、THIN LIZZYの"Thunder and Lightning"! ってことで。
BELLFASTの前にTHIN LIZZY、って素晴しすぎる、ステージにおりている幕の脇からBELLFASTのボーカルのかたの腕が出てきて、曲に合せて拳を挙げる、という。
ってとこで、BELFASTが始まった。
 

BELLFAST
 
これは書いたことないんだけど、このバンドのドラムの人(榊間さん)のドラムがちょうちょう好きです。
去年BULLDOZER名古屋公演にDEADCLAW(彼が所属している別バンド)が出たとき、
あのドラマー、何者!?
とびっくらしたことから始まっています。
 
先月のAraya Festというイベントにおいても、DEADCLAW、THE GARCIA(彼がもうさらにもういっこやってるバンド)と、やっぱ全然わしへの訴えかけが、ほかのドラマーさんと違うっす。
メタルなんて叩ける時点でもちろん誰もがうまいのだけれども、何かこの人のドラミングって、音の一粒も、その勢いっつーか生き生きしてる感じっつーか、そういうのがフロアまで、まったく薄れず届くのですよね。
 
そういうわけでこの日のBELLFASTにおいても、ドラムをガン見www
 
で、バンド自体の件ですが、わしの好みのタイプの音ではないが、よいライヴだった。
わしの好みではない、というのは文字通りにわしの好みではない、というだけであって、好きな人はちょう好きであろう。
バンド名から判るように、そういった地方の雰囲気が色濃い、どころかまさにそういう音であって、フルートとバイオリンのメンバーがいらっしゃいますた。
 
で、ボーカルのかたのMCでワロタ&おお!とオモタのだが。
以下、要約すると、
「自分は焼酎が好きなのだが、焼酎の銘柄は英訳するとかなりメタリックなのである。
「ということで、次の曲は黒霧島-Black Mist Island」
とwwwwwwwwwwwww
確かにwwwwwwwwwwwwww
 
そう考えると、日本語って何てたおやかな風情のある言語なのかしら。
って感じでありますな。
 
MCは何かいろいろおもろかった。
「みんなメタルが聴きたいか!?」
と訊いて、
「いやま今まで演ってたのも全部メタルなんだけどね」
とかwww
 
で、まあ、わしがただ単に知らんかっただけではあるけども、こんな、個性もめっちゃはっきりしてて、クオリティ高いことをやっているバンドがまだまだいるとは、ほんとに名古屋のバンドの層は厚いなと再認識しますた。

  
というわけで、この濃すぎるイベント、次回は10/9に東京@渋谷サイクロンです。
混じり気のないメタルに身を浴したいかたは、ぜひ。

「Heritage of Iron」告知・詳細ページ
↑から各バンドのサイトに行けるっす。