演奏会と陳情1〜演奏会

あ、もう昨今ではご存じないかたもみえるかと思いますが、私、SLAYERってバンドのファンサイトやってたんですよ。
いちおう日本で唯一だったんです。
てか私があのサイト放置してからも誰もファンサイト作ってないのかな、まあSLAYER扱うの大変だからね。
と言ってみる。
 
まあそれはともかく、今回のSLAYERの来日ってのは実は非常にわしにとって重要でがんした。
なぜなら、新作発表のしらせ、そしてネットにおける数曲の事前発表、という展開においても、ずえんずえん興味がわかず、完全放置だったので。
 
んで、ライヴ観たら自分のなかでまた
「SLAYERがアップを始めました(文字通り)」
になるかな、と思ってたけど、結論:アップしませんでした。
 
ってえと何かさみしい感じだけど、もっと正確に言えば、ライヴ観るまではSLAYERの位置は自分のなかで下がっていてかつセピア色、もしくはモノクロになっており、動画状態でなく静止画、んで、静止画の彼らの横に自分で勝手に好きなセリフを加える、みたいな感じだった。
が、今は、ポジションは変ってないけど、フルカラーの動画状態には戻った。
もちろん自分で勝手に好きなセリフ言わせてる、ってのは変らないが。
 
 
ラウドパーク直前になって、
「『Reign in Blood』完全再現、やるんか、やるんか、やるんか」
と大騒ぎして、結局ラウドパーク行かなかったんすけど、当日、はたと気づいたのである。
95年にファンになってから、ここ大和の地で開催されてきた彼らの演奏会は、皆勤賞だったことを。
てことは今回のラウドパークというのはファンになってから初の、観に行かなかった日本におけるライヴだったのである。
この点ではちょっと切なかったかな。
 
ってことで翌日の新木場Studio Coastのライヴ。
名古屋を出る直前にチケットの発券をしたら整理番号が40番代で、
「最前狙えるんだがwwwww」
と。
てことで現地では結局ハネマン側最前一番端に行っておいた。
説明が難しいんだが、あそこのハコって一番端でもスピーカーの真ん前じゃなくて、ハネマンのほぼ真ん前につけるんだよね。
ラッキーだした。
で、でも、ハネマン側に行ったのは、別に昔ものすごく好きだったからじゃないんだからね!
キング側はまじ冗談じゃないくらいキツイから(昔一度行ってみて死亡したことがある)、比較的ゆるやかなハネマン側にしたんだからね!
そういや、ハネマンの完全なる真ん前を取っていた少年たちが、
「やべ、まじハンネマンの真ん前wwww」
「まじすぐそこに来るんだなwwwww」
と数分にわたりエキサイトしていた。
素直でうらやますい。
 
 
んで、ライヴなんだが、新曲で始まったが、よく判らんかったので、自分的には様子見な感じの始まりで。
で、首を伸ばしてキングの姿をちらっと確かめたときに、
「おおおお、SLAYERが来てるんだぜえええ」
と初めて実感した。
キングのアイコン効果は異常。
 
新曲は3曲演ったの?
ふたつめの曲はさすがだなあ、うるせー音楽の世界のことはSLAYERに任せとけだな、相変らず、と見直した。
 
で、中盤で"Postmortem"がきて、
「『Reign in Blood』完全再現の夢は終了か」
と。
あ〜あ〜今日は前座もないから心ゆくまま演奏できるのにもったいなや……。
 
しかし、"Postmortem"後、我々の夢は一瞬生き返ったのである。
なぜなら、そのまま"Epidemic"につっこんだから。
アルバムでは"Post〜"は9曲め、"Epidemic"は8曲め。
こ、これはひょっとして、まあ10曲目の"Raining Blood"は最後にとっておくにしても、アルバム完全再現さかのぼり仕様!?と期待するわし。
てか"Epidemic"はあのアルバムで"Criminally Insane"と並んで非常に好きな曲なんで、ちょっと「これ生で聴けたから死んでもいい」状態。
 
だったが、普通に、夢はついえた。
"Epidemic"のあとはアルバム7曲めの"Reborn"にはいかず、MCに入ったんじゃなかったっけ?
 
ってかさ、だいだい私は間違ってるんですよ、演奏されるものを、素直に喜んで受け止めきゃいいんですよ。
しかし、期待をしちゃうとね。
それが叶えられなかったとき腹が立っちゃうんだよね。
(がっかりする、とか、与えられたものは与えられたものでいいところを見出して楽しむ、でなく「腹が立つ」というのが私の今の仕様、ということ。)
私のなかでSLAYERの位置がさがった理由のひとつが、「期待が叶えられないことが続いた」ってことなんだよね。
毎回必ずずえったい100%演る曲のうちの2曲("Mandatory Suicide"と"Dead Skin Mask")が好きじゃない、というのもあるのだが。
 
だから、"Reborn"にいかなかったあたりから、もう今夜は直接陳情してやろうと考え始めた。
ハードロックカフェ行きゃ絶対いるやろ、わしはライヴ後仲間と飯食って、そのあとひとりででも六本木行くぞ、アラヤ待っててね、とか考えてたライヴ後半。
 
ただ、"Seasons in the Abyss"はやっぱとてつもないね。
ずえったい頭おかしくないとあんな曲作れんと思うわ。
ってことで作曲者のハネマン。
彼は
"As you go insane, go insane"
って歌詞のとこで西洋におけるinsane(=頭おかしい)のジェスチャーである側頭を指差す、というのをいつもやるんだが、今回は何かやりかたが笑えた。
当該の歌詞の流れが比較的ゆっくりなので、
「はい、ここで右側頭に右手を持っていって、はい、アラヤさんが「insane」、ともう一回言ったら、右手人差し指で、右側頭を指さすんですよ」
とゆっくり指南してるようなジェスチャーに見えた。
 
 
そして。
自分のなかでSLAYERがアップを始めなかった、ということが決定したのは、最後の"Raining Blood"であった。
この曲を3年ぶりに生で聴いて「キターーーーー!!!!!1!!」にならなかったってのは、決定的なんですよ。
この曲はSLAYERのなかで1番好きなんですよ。
んもうダントツ。
なのになあ。
 
あ、ただ、ライヴ全体通して、ともかくギターの音とギターワークのカッコよさにはしびれたな。
んもう何かもう意味不明にギターが暴力的なんすよ。
それはやっぱSLAYERってすげえなあ、と思ったなあ。
 
あと、ひとつ笑えたこととほのぼのした話が。
どの曲か忘れたが、終盤、ハネマンがデイヴのドラムの前でギター弾いてたとき。
(なぜかデイヴだけ苗字でなく下の名前で呼ぶわし。)
ドラムは休みのパートだったので、デイヴが立ちあがって、スティックでハネマンの後頭部をつつこうとしてかなり頑張ってた。
が、僅差で届かなかったもようで、諦めていた。
ほのぼのしたのは、ライヴ終了後、デイヴが前に来て、で手を振ったりスティックを投げたりするだけでなく、体を伸ばして、客とハイタッチとかしてたこと。
ああ、彼的にすごくいいライヴだったんだろな、とオモタ。
 
(「陳情」編につづく。)