ましんへっどについて4

4枚目、「Supercharger」について。

Supercharger

Supercharger

これはひじょーにもったいない作品!
 
まず、1曲目のシングルが"Crashing Around You"という曲で、PVももちろん作られたんだが、これが、例の911テロと同時期で、しかも映像的にテロとリンクするような内容で(もちろんPVはテロの前に作られていたから偶然)、MTVとかが一斉に自粛しちゃったらすいんだよね、流すのを。
 
これがケチのつき始めなんだが。
 
ともかくこのアルバムは当時ひっどいこきおろされようで、何だかなあ、と思っていた。
サードがラップメタルで、しかも上品な音で、で、4枚目はさらに多彩に、何てえか、メロディの充実ぶりはサードの比じゃないっすよ、でもそれが、批判の対象になっちゃったんだよね。
 
セカンドまでが神、という人にとっては、サードで「え?」となって、しかし次こそあのマッチョさを取り戻してくれる! と思ったらまたロブは歌ってばっかいるし、という感じだったのだろう、というのは想像つく。
ま、すべて好みの問題ならばしかたない。
 
が、これから聴く人は、ぜひに、ただただ虚心坦懐にアルバム全体にある躍動感とか、それはマッチョさとかハードさではないんだが、決してましんへっどは「売れる」ためにああいう方向に行ったのでなく、あの作品にも当時のメンバーたちの心血が注がれているということ、そしてまた、単純に歌メロのよさ、それらを感じ取ってほしいっす。
 
この作品と5枚目には、私は思い入れがありすぎて、とても今回のシリーズでは語りつくせないので、とりあえずさらに内容について書くと、前作から始まった、ロブの個人的歴史が、さらにひもとかれている。
"American High"で、うだつのあがらなかった学生時代とか、"Trephination"で、子供の頃の性的虐待のトラウマ(この言葉も昨今はすっかり安っぽい言葉になってしまったな!)からどう脱したかとか、"Deafening Silence"ではのちに奥さんになる人との関係、そういった、まあ言ってしまえば、描かれている心理描写などから言っても、完全に、心のはらわたとも言えるところまで、さらけ出して書かれている詞だと思う。
 
とは言え、正直日本盤についている対訳は(以下略
しかしあのおかげで、私は歌詞対訳を仕事でやってみたい、と思い、おかげさまで実現したんだよね、今は音楽業界で仕事すること、歌詞対訳という仕事、それらと自分がどう距離をとればいいのか判らないので、ほとんどやっていないが。
ほんとは、これだけましんへっどの詞について熱く語るならば、全曲訳すべきなのだろうな。
まあそれはいいとして、ともかく、ライヴではこのアルバムからは
Bulldozer
という曲を演る。
おすすめ曲は数曲のぞいてすべてなのでともかくアルバムを聴いてくださいよ、という感じ。
 
今回は以上!
 

おはずかしながら、2001〜2年ごろに訳したこのアルバムの対訳(数曲)はこちら