NINのポップさと単純な美しさ

あらためて思ったけど、NINはポップだわ。
 
いちおうインダストリアルに分類されるとは思うけど、MINISTRYのアル・ジュールゲンセンが「NINはポップスだ」と言ったのは正しいと思う。
トレント・レズナーがどれだけ革新的なプロデューサーであるのかは素人には判らないのだけど、NINの真骨頂ってのは、ポップさだよねえ。
もうちょっと丁寧に説明すれば、判りやすい音楽ってことだ、とっても。
「アート」っぽいとっつきにくさってのは、バンド(と言うかレズナー)のイメージとしてはあるんだけど、しかしいざ聴きこんで、しかも冷静に聴いてみると、実は判りやすい。
 
何と言うか、曲の骨格を取り出して、そこを強調して作るのが上手なんだね。
基本的骨格を取り出すと、結局歌メロとリズムになるんだけど、そこに徹底的に神経注いでいいもの作って、でそこに載せるギターなんかも、複雑なことはやっていなさそうなんだ、その曲のその小節で重要な音ひとつをおさえているに過ぎない、ってのが基本ぽい。
 
歌メロとギターのぶつかり方が美しくかつ単純なのは、たぶんレズナーがピアノ出身だからと思われる。
コードより単音どうしのぶつかりがいかに美しいかだからね、ピアノは。特に単純な曲になればなるほど。
 
個人的には、シンプルなものほど美しい、的なカッコつけたこと言いたくはないんだが、どうも真実はそのようなんだよねえw
革新的な機械や技術の駆使よりも、 ピアノ曲、"The Frail"の単純な美しさ、これが、私がNIN及びトレント・レズナーという存在にみる、一番大きな発見だったと思う。