ジミー・ペイジを研究する人々

LED ZEPPELIN、そしてジミー・ペイジを研究する人々は世界にけっこうな数いると思う。
 
今はすっかり聴かなくなったが、大学時代、軽音楽部に籍を置き、ハードロック/メタルを好んでいた者にとっては、ZEPは必須科目とも言うべきものであった。
おかげで、"Black Dog"、"Heartbreaker"などの判りやすいもの以外、「??」と思いながらも、「いちおうZEPは通ったからね」と言えるくらいには聴いたと思う。
(もちろん「通ったからね」と言うときは、自信がないので人と目を合わせないようにして言う。)
 
軽音楽部は3年のとき抜けたが、自分の入っていたゼミで、音楽好きの青年と出会った。
このころ、彼は友人とZEPのセッションをやり始めたころで、私に「ぜひとも歌で参加してくれまいか」と言ってきた。
セッションの内容をよく聞くと、ギターがなぜか二人おり、プラスベースひとり、以上。
まあつまりドラムがいないわけだが、まあ、要請があるなら、と2年ほど一緒にやっていたと思う。
 
彼はギターを担当していたが、彼こそ、ジミー・ペイジを研究しているその人であった。
当時は私、ギターに興味がなかったし、ペイジさんも
「日本人だったら山田って名前って感じだよね」
と勝手に「山田さん」と名づけ、当時ペイジさんはCOVERDALE/PAGEなんてバンドをやっていたから、
「カヴァデールは斉藤さんって感じだからCOVERDALE/PAGEは斉藤/山田だ」
などとぬかし、まあつまりネタにしていただけだから、研究したい気持ちなど判るはずもなかった。
 
って、今も研究する気持ちは判らないけども、こないだZEPを引っ張り出して聴く機会があって、大学時代のこの青年のことを思い出した。
 
今思うと、彼は本当にジミー・ペイジが好きだったのだと思う。
ある夏、私以外のセッション仲間プラス数人の友人と海に行ったらしく、
「キャンプしながらセッションしたんだけどね、録音して、テープを作ったよ」
と作ったテープをくれた。
タイトルが、当時はやっていた"Unplugged"をもじって、"Unpaged"。
好きだからこそ茶化すという精神が垣間見える、ってよりあからさまだ。
"un"は否定形であるから、ペイジさんを否定してはいるのだけれども、そうやってネタにするほど好きなのだなあ。なんて、今振り返ると、微笑ましい。
 
ちなみにこの彼は、ZEPに辿り着くずっと前、中学時代くらい、SLAYERの大ファンであったというw
私の持っているSLAYERのCDの何枚かは、彼から大変な廉価で手に入れたものだ。
一度、音楽について長時間語り合ったとき、
「優さんはSLAYERをよく研究してるよね。普通みんな、『アラヤはどうやってあれだけの長い歌詞を覚えるのかなあ』ってことくらいしか考えないからね」
と言われたことがあるw バカにされただけのような気もするが、いい思い出だ。