これはむしろ「民主党の大敗」だ

さて、ゆうべはワロスなことが次々とあってテンション高かったのでフザケたことしか書いてませんが、今日は真面目にいきます。
 
今回の選挙ですが、結果をより的確に表せば、これは「自民圧勝」でなく、「民主大敗」と表現すべきではないでしょうか。
何となく、自民に入れた人の中には、「消去法で自民しか残らない!」という状況だった人がけっこういたのではないかと思っています。今の民主には絶対政権を任せられないと思った人で、特定の団体に属しておらず、特定のイデオロギーを持っていない人に残っている選択肢は、自民しかないのです。(あるいは無所属。あるいは特定のイデオロギーを標榜してはいるが、実際「確かな野党」でいてくれる面もある共産。)
そういう点からいくと、投票の基準が郵政民営化にあった人もそこまで多数ではなかったのではと思われます。恐らく、
「民営化に関しては、『一応支持する』くらいで、小泉自民を積極的に支持するわけではないが、他は絶対入れられないから。つーか岡田総理大臣? うーん」
という感じでしょう。
 
で、一番大事なことというのは、まさに、「これから」ですよね。今回単独過半数を取った自民党がこれからどう動くか、積極的支持ではない人はより厳しく注視するでしょう。そして、それが一番大事なことなのです。中には自民圧勝を素直に喜んでる人もいるでしょうが、やむなく自民に入れた場合は、
「この現状はむしろ民主への批判が表れたのであり、自民に調子づかせたくはない」
と思う人もいるでしょうから、そういう人が、自民が暴走しないように監視する、それが大事です。
 
小泉首相と自民はこれから厳しく監視していくとして、さあ問題は民主党です。岡田さんは潔く辞任されるそうで、そこは好感が持てます。後任も当然気になりますね。
しかし、それ以前に、民主はまず、何故今回大敗したのか、理由を正しく分析する必要があるのですが、ゆうべの岡田さんの会見を聞いてても、どうも判ってないな、という印象でした(まあ冷静に考えられる精神状態じゃなかったでしょうから、しょうがないですけどね)。
ゆうべ、岡田さんは、
「政策が伝わらなかった」
と言っていたのですが、逆ですよ、きちんと伝わりました、テレビだけ観てる人はどうか判りませんが、ネットやってる人で政治に興味のある人、あるいは事務所までちゃんとマニフェストの冊子を取りに行った人は、きちんと読んでいますよ。で、読んで、「これではどうか」と思ったから票が減ったのですね。
 
私個人は、今の民主の弱点は、赤くなりすぎたことだと思います(先日もリアルで「赤い人たちと変らないよな〜」と言ってる人がいました)。
一国二制度って何ですか。沖縄だけ通貨を変えるだの、中国語教えるだの、それのどこがアジアでの共生において重要なのか、全く判りません。個人的には、アジア、と言うか中韓の人たちとは個人レベルでどんどん交流すべきだと思ってるのですが(これについてはいつか後述します)、それと沖縄を日本であって日本じゃなくする、みたいな政策は全く別ですからね。
年金にしても、一応がんばって案を出してくれてはいるのですが、甘い感じがするんですね、掛け金払ってない人にも最低7万円支給するという案もマニフェストにありましたが、そんなことしたら誰も掛け金払わなくなるでしょう(笑)。
 
前に、「民主党は聞こえのいいことばかりを言う」と書いたのですが、年金政策なんかは正しくその好例で、↑のようなことも「??」ですし、最初は「増税で年金賄う」と言ってて、選挙戦後半になったら岡田代表が「増税はしない」と言い出し、共産党の志位さんから「しないならマニフェストを書き換えてください」とつっこまれたり、一貫性もない。
 
あらゆる点で、民主党は甘かったと思います。これから、代表もかわり、また変化をしていくのでしょうが、もうポーズを取っても騙される人は少ないことを自覚していただきたいです。まあ元来が社会党から流れた人が多いですから、どうしても社会主義的な思想は駆逐できないと思いますが、社会主義的な「みんな幸せ」という甘い構想では、覚悟を持って「日本と一緒に歩んでいこう、そのために日本をよくしよう」と決意してる人たちは引っ張っていけないと悟ってほしいと思います。
 
そういうわけで、自民支持者も、そうでない人も、公明と共に3分の2以上の議席を取ってしまった与党を監視する必要性がより高くなったと思います。
ゆうべ、首相は圧勝と判明しながらも、ほとんど笑顔はありませんでしたね、それはやはりこれだけ信認されたら失敗できない、という重圧を感じていたのではと思います。
が、同時に、今回自民を選んだ人にも、選んだ責任というものが生じますので、与党の動きを注視するのはある種の義務ではないかと思うわけです。